屋根塗装工事で注意すること
屋根は日常的にチェックできる場所ではありません。そのため、塗装業者などによる事前のチェックで瓦の割れなどの損傷を確認し、必要であれば一部の入替えなどの補修をしてからの塗装工事となります。
なお、薄型化粧スレート瓦(コロニアルなど)の場合、瓦の重なり部分にタスペーサーという部材が必要になることがあり、これも事前の調査で必要の有無を判断します。
タスペーサー(縁切り)とは?

もともと、屋根瓦の重なり部分は密着しているものではなく、暴風雨の時にはどうしても重なり部分から雨水が侵入してしまいます。それでも雨漏りしないのは瓦の下にある防水シート(ルーフィング)があるからです。そして、瓦の下に侵入した雨はその後に瓦の隙間から排出されたり乾燥したりする仕組みになっているのです。
ところが、屋根の塗装で瓦の重なり部分の隙間の一部、あるいは全てが塗りつぶされてしまうことがあります。この状態のままでは、瓦の下に侵入した雨水が排出も乾燥もしにくくなり、やがてはカビや腐食が発生し雨漏りの原因になってしまうのです。
従って、瓦の重なり部分に隙間がない場合には、事前に瓦の重なり部分に隙間を作るためにタスペーサーという部材を差し込みます。ただし、屋根の塗装工事で必ずしも必要というものではなく、屋根瓦の形状や重なり部分の隙間状況によってその必要性の有無が判断されます。
付帯塗装の必要性
屋根塗装工事時には、棟木や隅木などの水切り板金部分のチェックも合わせて行うようにしてください。状況によっては、板金の塗替えや取替えが必要になることもあります。取替えの場合は、塗装工事ではなく、板金工事になりますが、雨漏りの原因で多い場所ですので、合わせてチェック・補修しておく方が安心です。
太陽光パネルが載っている場合の屋根塗装
太陽光パネルが載っている屋根の塗装は、太陽光パネルを脱着して行うのが理想ですが、別途コストがかかります。太陽光パネルの下側の瓦は紫外線による劣化が少ないため、その部分だけ塗装を省略する考え方もありますが、全く劣化しないわけではありません。